毎年5月4日に、映画「阿賀に生きる」の舞台となった新潟・阿賀野川流域の安田公民館で行われる追悼集会。次々と鬼籍に入っていく登場人物の方々を毎年弔うというのを名目に飲んで歌って楽しくやろうという、「阿賀に生きる」の生みの親である旗野さんの毒舌ホストが名物の、知る人ぞ知るコアな集まり。今年も地元新潟はもとより、北は北海道、南は水俣まで日本全国から延べ100人以上もの酒飲み...もとい、志ある人びとが集まりました。
午前中は恒例の「阿賀に生きる」の上映。日本で一番きれいな状態で保存されている0号プリントでの上映です。お昼をはさんで、午後の回では冒頭の黙祷のあと早速チョコラ!の宣伝を大々的にさせていただきました! おかげさまでチケットも大いに売れ、自主上映の相談もいくつかいただきました(^^)
その後、集会は水俣病闘争の勇士・川本輝夫さんの足跡をたどる「没後10年・川本輝夫の仕事」へ。土本基子さんのお話しや、川本さんのご家族との座談会(びっくり裏話大会!)、そして毎年恒例の渡辺参治さんや大阪・網かけ一座の演芸大会。そのまま夜は温泉宿を借り切っての大宴会(メインイベント)へと傾れ込んで行ったのでした...(^^)
ご興味のある方、こわいものを見たい方、来年はぜひご参加をご検討ください!
以下、小林茂監督によるレポートです。
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「阿賀に生きる」が完成したのが1992年。翌年から登場した方々がつぎつぎお亡くなりになり、「 阿賀に生きる」追悼集会とめいうって毎年開催してきました。5月4日、17 回目の集まりでした。佐藤真監督も毎年のように参加されていましたが、一昨年、急逝され、みんなの気持ちの中では佐藤監督追悼の意味もあります。そこで、佐藤監督の前面協力で完成した映画「チョコラ!」(5月9日、渋谷ユーロスペース公開)の予告編を上映し、編集、制作のハタ、事務局の目黒、小林、そしてケニアから帰国の松下照美さんが挨拶しました。
新潟公開は5月16日(土)から。新潟・市民映画館シネ・ウインドのスタッフIさんも駆けつけ宣伝につとめました。多くの方々に前売りチケットをお預かりいただきました。また、岩波ブックレット「チョコラ! アフリカの路上に生きる子どもたち」も皆さんにご購読いただきました。シンプルなつくりと迫力ある写真、なにより、監督である私の現場での心の軌跡がもうひとつのドキュメンタリーとなっているからなのか、飛ぶように売れました。
なお、今回のゲストは水俣病の闘士、川本輝夫さんの没後10年を記念して、旗野さんとご家族の鼎談でした。川本さんを支えた家族はさまざまなご苦労をされたはずなのに、じつに淡々としたものでした。私が水俣の川本さん宅をお訪ねしたときにはたいてい作業服で、日ごろ闘争で留守がちな家のことに精を出されていたことを思い出します。
(「チョコラ!」監督、小林茂記)
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