小林監督からの報告:高崎〜広尾

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8月中旬、高崎〜東京での上映にあわせてトークショーを行った小林茂監督からのレポートが届きました。

8月15日(土)

「シネマテークたかさき」を訪ねる。控え室は椅子の部屋だが、改造する前に使われていたふすま2枚が壁に立てかけられ、訪れた監督たちのサインが残されている。亡くなった市川準監督のサインもあった。さて、この映画館はNPO法人「たかさきコミュニティシネマ」が運営する。ミニシアターの火をともすべく新作・名作・地元関係の映画に力をいれている。駅から程近い2スクリーンの劇場。なんといっても、若き女性支配人・副支配人がこころすがすがしい方々でした。運営の悩みを抱えつつも、いい映画を市民に届けようとしている。映画の前後にその方たちと長く話し合いました。励ましの言葉を語ったが、私の方が元気づけられた気がします。「よし、また、新作をもって再訪するぞ」

8月16日(日)

渋谷区広尾にあるJICA「地球ひろば」。この夏はケニア特集で、その一環として3日間の「チョコラ!」上映が企画された。担当者はみな青年海外協力隊のOBが多く、国際理解に奔走されていました。担当のIさん、お世話になりました。この日は私のトーク。会場のホールは予定の100席をはるか超え、170人が参加。熱心な方たちで驚いた。映画に即した子どもの話。「どのようにして子どもたちに撮影を受け入れてもらったのか」という質問には、「実はなにほどのことはなく、いつも子どもの脇でうろうろしているだけなのですが、撮影は対等にきちんとお願いするのです。一人一人に」と答える。

一回の喫茶室で書籍販売とサイン会と開催。この喫茶店がまた、協力的で「チョコラ!」セットなるものを用意してくださった。コーヒーか紅茶とケニアの揚げパン・マンダージのセット。マンダージはミニドーナッツではあったが、「チョコラ!」を撮影しながらよく食べたマンダージを思い出して、胃袋から現場の喧騒を思い出した。この喫茶店はおいしい上に安い。大使館などが点在する閑静な場所にあって、おすすめです。

8月某日

以前、訪問した東京都立大島海洋国際高校か映画と講演の感想文が届きました。

「アフリカの『チョコラ』はどんなに貧しくても元気に生活している様子を見ていると逆に『こっち』が貧しくもないのに何でこんなに人生ってだるいのかと思う自分が虚しくなりました」

「この映画を見て本当の幸せってなんだろうと思いました。幸せというとお金がたくさんあって何不自由なく生活できることと私は思っていましたが、彼らにとっては生きているだけで幸せなのだろう。形は違うけれど実はみんな平等な幸せなんだと思いました。私も本当の幸せを探してみたいと思いました」

「印象的なのはカンを麻袋に放り込みながら歩き回る朝のシーンです。カンカンと足にぶつかるカンの音がリズミカルで、映像の中に何の感情なのか分からない不思議な空気が流れていたことです」

いずれも長文からの抜粋ですが、最後の文章など、まるで宮沢賢治の文章ですよね。寄宿舎部主任のS先生、また、呼んでくださいね。また、別な作品で。どうもありがとうございました。


JICA地球ひろばでの上映については、地球案内人の飯田さんによる報告も併せてご覧下さい。
» 夏休みの月間国別特集ケニアで映画「チョコラ!」大好評! (JICA地球ひろば)

長岡・市民映画館をつくる会のブログでも報告されていました。
» JICA地球ひろば「チョコラ!」上映会(市民映画館をつくる会ブログ)

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