小林監督からの報告:2月〜5月

| コメント(0) | トラックバック(0)

小林茂監督から、2月〜5月にかけて行われた日本全国での上映やシンポジウムの報告が届きました(^^)

このところ出席した「チョコラ!」上映会のご報告です。

■2月27日(土) 京都・立命館大学 上映&講演会
会場: 立命館大学 朱雀キャンパス 5F 大講義室

雪のトラブルに巻き込まれないように前日京都入りして、夜、いつもの診療所で透析。なじみの病院ができると旅が軽くなる。学生時代を含め15年も住んだ京都の町は青春そのもの。学生たちの姿に30年前の自分が重なる。
さて、立命の新校舎は堂々として、観客も学生ばかりでなく多様。京都シネマの神谷さんがコーディネイトした<シネマで学ぶ「人間の社会の現在」>。上映後、林達雄(立命館大学特別招聘教授・アフリカ日本協議会代表)さんと対談。なかなか切れ味のいい対談となった。講演録がHPにアップされた。

■4月24日(土) 東京・下高井戸「優れたドキュメンタリー映画を観る会」

4月24日(土)には、東京・下高井戸シネマにて毎年開催されている「優れたドキュメンタリー映画を観る会」にて「チョコラ!」上映。
主催の飯田さんのためなら地の果てまでも。夜9時と言うのに、会場は結構入っている。薬害スモンの関係者が仲間をさそって来てくれた。京都造形芸術大学で佐藤真監督のゼミ生も遠路駆けつけてくれた。もう覚えていないが質問がえらい専門的。たじたじ。夜中、友人宅へ転がり込む。飯田橋ギンレイホールで「シリアの花嫁」と「戦場でワルツを」を見て長岡もどり。透析ようよう間に合う。

■5月1日(土)〜 静岡・シネギャラリー

5/1(土)〜5/14(金) 静岡シネギャラリーの「子どものまなざし」特集の中で「チョコラ!」上映。津富さんと昨年この映画館の副支配人川口さんを訪ねてからずっと、川口さんは「チョコラ!」上映の機会を練ってきたが、ついに公開。川口さんの粘りと熱意の結晶。
初日、早々に家を出て、同館で小池征人監督の新作「葦牙(あしかび)」を見る。虐待されて育った子どもたちの自分の意思をコントロールできない有様は、この数年、病気や透析、友人の死などから私も同様な状態を経験していることを想起させる。いま、幼児性虐待のトラウマに苦しみ不調を重ねてきた京都時代の友人の原稿を形にしたいと思っていることにもつながった。
「チョコラ!」上映は夜。学生ら若者の多い会場となった。その後、静岡県立大学准教授の津富宏さんとの対談。津富さんはケニアに少年教育の専門家として長らく滞在されていた。一観客として「チョコラ!」をご覧になり、「まさに自分が見てきた現実がそのままに提示されていて、驚いて椅子からひっくり返りそうになりました」という感想をメールで送ってくださって以来のおつきあい。

津富「自分が少年院でみてきた子どもらが、よく逃げ出すんですね。飯もあるし、ベッドもあるし、何でかなと思っていたのですが、この映画を見てわかりました。彼ら、街はおもしろいと言ってましたもの。夜のピラフパーティなんか、私ら知らない世界ですよね。この映画を見てから赴任していたら、違ったんじゃないかとさえ思います(笑)」

少し長くなるがある学生(女子)の評を一部掲載します。

拝見した「チョコラ!」は本当に素晴らしくて、子供たちがチョコラと呼
ばれケニアのストリートで力強く生きる姿と、仲間で遊んだり、食事をしたりし
ている時の楽しそうな表情が、生きることの大変さとそれより少し多いくらいの喜
びが人生には沢山詰まっているのだと教えてくれているようでした。
「チョコラ!」に出てくる子供たちは私よりも全然幼いのに、それを痛いくらい
に感じながら生きている、
そして形は違えども、私も生きていくことを、つらいことを含め、全力で楽しま
なくては味気ないなとも思いました。

ドキュメンタリーを映画館で見るというのは初めての体験で、劇的な展開のあ
るフィクションの映画よりも頭を「うーん」と傾げながらみる感じになるかも・・・
などと思っていたのですが、予想とは全然違って、フィクションよりもドラマテ
ィックでした。人間って本当に面白い! と心から思いました。
本当に行ってよかったです。ありがとうございました。

■5月4日(祝) 東京・小岩 メイシネマ上映会

5月4日(祝)、東京・小岩「メイシネマ上映会」にて、20周年を記念する作品の1つとして上映。主催の藤崎さんはガス屋さん。一年の稼ぎをつぎ込んで20年。
2日から小岩入りして映画を見る。「花と兵隊」。若き松林監督の秀作。ジャーナリスト的な動物的感性がある。これからすばらしい作品を世に送り出すでしょう。3日は朝から透析。午後、なんとプー・カンガン(シンガーソングライター・ライブハウスブンガオーナー)さんが私を訪ねて来てくれた。やあ、久しぶり。私と同じ年。1954年生まれ。私は8年前「1954」という仮題で、日本で生まれた私と、在日として生きてきた彼をダブらせて映画を撮り始めたが、病に倒れて中断。「もう、あのころの自分とはちがうよ。歌も良くなったし」とプーさん。この言葉がうれしいね。さっそく昨夜見つけた韓国料理本場の味の店へいって、辛い冷麺を食べる。
4日は本番。「チョコラ!」をしっかりと最後まで見る。伊勢真一監督、岡村淳監督、四宮鉄男監督と対談。なぜ、ドキュメンタリーか。みな好き勝手なことを言って、「映画よりおもしろい」と評判。これ、喜んでいいの?
岡村監督の「下手に描きたい」という映画。ブラジルで5歳まで過ごし日本に帰国した体験をもつ画家は、日本とブラジルを行き来しながら抽象画を描いているが、そのブラジルでの制作風景を一息に撮った作品。これでいいのだ、という映画。勇気が湧く。
5日、長岡もどり。新幹線に乗り遅れるやら、寝てしまって終点新潟まで行ってしまうやら、散々だったが、なんだか、そんなこともできるよになった自分が楽しい。透析。

この間、「チョコラ!」DVDの発売に向けて関係者スタッフが大奮闘。秦さん、感謝。また、映画会に駆けつけてくれた配給の木下さん、ありがとう。

小林茂

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.chokora.jp/mt/mt-tb.cgi/193

コメントする

関連商品